祖母の容態が良くないと聞き、夕方顔を見に病院へ行った。
先週はまだ元気があったが、この日はもう僕の事を認識していなかったかもしれない。
呼吸器が付けられ、苦しそうに何とか息をしている祖母を見て、
もう二度と話すことができないと分かった。
こうなってしまっては何もできることはない。
今の知人達もいつ何が起きるか分からないので、普段の人付き合いを見直した方がいいのかな、と考えたりしていた。
その夜遅くに祖母は息を引き取った。95歳であった。
友人や親族も先立った人が多く、祖母と親しい人は少なかったので、
葬儀はほとんど家族のみで、少人数で行われた。
少し寂しい気もするが、僕は良い最期だと思った。
大勢に見送られなくても、祖母は皆から悼まれ、惜しまれつつこの世を去った。
自分も、祖母と同じような最期でありたいと感じた。
そこそこ長生きして、家族葬でひっそりとやってもらいたい。
できれば1人でも悲しんでくれる人がいればいい。
2歳の息子は楽しそうに式場を走り回り、
棺の中の祖母を見て「おばあちゃん、ねんね」と話していた。
まだ人が亡くなるという事象を理解していないらしい。
僕も未だによく分からない。多分これからも分からないままだと思う。
