エモい生活

大学生の頃、エモいという言葉が流行っていた。
今でも使われているかもしれないが、僕の周りでは10年くらい前がピークだったような感覚がある。
当時は音楽サークルに属していたこともあり、日々エモさを求めて生きていた。
アニメ漫画ゲームもよく見ていたし、よく泣いていた。
友人達と熱い話をしたり、喧嘩することもあった。生活の中で感情が揺れ動く瞬間が度々あったように思える。

ところが最近はすっかり落ち着いてしまい、起伏のない生活を過ごしている。
精神的に大人になったのか、ただ仕事が忙しく余裕がないのか、いずれにせよ以前感じていたエモさは失われてしまった。

 

ところで、HUNTER×HUNTERの蟻編のラスト、王とコムギの会話で「余はこの瞬間のために生まれてきたのだ」という名言がある。
蟻編のクライマックスで、それこそ当時泣きながら読んでいた。

先日妻とこのシーンの話になった。
妻は、進撃の巨人でアルミンが「三人でかけっこをするために生まれてきた」とジークに伝えるシーンが好きらしい。こちらも同作終盤の名シーンである。

 

驚くことに、妻は今でも「このために生まれてきた」と思える瞬間をよく経験しているらしい。
しかも小さい時から、そうした体験を忘れないようにずっと記憶してきたという。

妻曰く、これが分からないようではまだまだ未熟とのこと。確かに…と思った。
感情の起伏がないということが自分にとって良い傾向だと思っていたが、僕も次のステップに進む必要があるのかもしれない。

何事も俯瞰して冷静に捉える力も重要だが、自分の感情を認識する努力も怠ってはいけない。
エモさは大人になっても必要なのだ。